「住まい選び」という「RPG(ロール・プレイング・ゲーム)」
2015年3月31日
2015年3月31日
この仕事に携わっていると、時折感じることがあります。
それは、「ああ、このご夫婦は一見、住まいを探しているようで、実はご夫婦にとって心地良いライフスタイルを探しているんだな」ということです。
様々なエリアと実際に物件に足を運んで、見て、感じていくうちに、ご主人と奥様の好みの違いが出てきます。
たとえば、ご主人は広さにこだわり、奥様はエリアにこだわる。
もちろん、予算が無限にあれば双方の要望をすべて満たす物件はたくさんあります。
ですが、ほとんどの方は無理なく購入できる、限られた予算の中で物件を探す旅をします。
ここが、住まい探しのいちばんの「肝」です。
面白いのですが、住まい探しがこの段階に入ると対象が「外」ではなく、「内」に大きくシフトしています。
どういう事かと言うと、限られた予算とエリアのなかで、ご夫婦の要望を完璧に満たす物件はこの世に存在しない、という事実です。
これ、結婚相手を決める時とも似ていますよね。「白馬に乗った王子」はいないし、実際にいたら、ちょっと気持ち悪い、というか引きませんか(^^;)
人のご縁も、住まいのご縁も共通して言えるのですが、「あばたもえくぼ」と思えるような、短所もかわいく、魅力的に見える。
そんなところが良かったりもするんですよね♪
それともう一つ、気付くことがあるのですが、意外と、ご主人と奥様の間でコミュニケーションが取れていない、ということです。
一番多いパターンが、奥様の言い分を、ご主人が聞いているようで、実は聞いていない。そして、ご主人はご自身の要望を、奥様に伝えているようで、実は伝えていない。自己完結に陥っています。
結局、住まい選びは、ご夫婦のコミュニケーション問題に行き着くというのが、この仕事に携わっていて実感することで一番、大きなことかも知れません。
これ、目に見えないけどすご~く、たいせつなことです。
我が家の住まい選びの時もそうでしたが、夫婦のコミュニケーションの良否が、住まいとの良縁を紡げる一番のポイントだと思います。
ですので、私はよく「お二人の間で、よく話し合ってください。それまでは実際に物件を見て回るのを少しお休みされた方が良いですよ」と助言させていただいております。
住まい選びは、ご夫婦のそれぞれの価値観をトコトン、ぶつけ合って、お互いを尊重し合うところからが、ほんとうのはじまりです。
この、ご主人と奥様のガチンコ勝負に私も立ち会い、ともに成長をさせていただける。
住まい選びとはRPG、ロール・プレイング・ゲームだと感じます。その場に立ち会わせていただく私は、手加減なしのまさに、常に「全人格の勝負!」です。日々の自己研鑽を怠る暇は、ございません。
ご年収の何倍もかけて、長い人生を賭ける高いお買い物です。
ご主人、奥様それぞれの人生にとって「たいせつにしていること」をじっくり考えて焦らず、ゆったりと進めてみるのも良いのではないでしょうか。