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人と同じ行動をしない

2015年4月30日

私は、混んだ場所が苦手ということもあるのですが、常に「人と同じ行動をしない」ように考えています。こう言うと、なんだか協調性が無いわがままな人間と誤解されそうですが、意味はまったく異なります。

10年ほど前、私は東京の資産運用会社まで約1時間、電車で通勤していました。その時も毎朝4時台の始発に乗って、6時過ぎにはオフィスに着いていました。「慌てるとツキが逃げるよ」という亡くなったおばあちゃんの言葉もすごく印象に残っています。

この「超時差出勤」はさまざまなメリットがあります。まず、電車は確実に座れるので、ノートパソコンを持ち出して通勤時間をまるまる仕事に使えます。また、オフィスのある千代田区は昼間の人口は120万人ですが、夜は4万人になります。

これはつまり、早朝は昼間の30倍も空間を広く使える=価値が上がる、ということです。通勤の道のりで人とすれ違うことも無く、混雑した空間を移動するストレスを感じないことで、気持ち良く一日のスタートを切れるのです。

ほんの少し、人と時間をずらすだけで、ただで自分がいる空間の価値を高められる。命=時間ですので、身動きが取れないような不自由な時間は極力、減らしたいと感じています。

これは、日々の時間の使い方を人と同じくしないことの一例ですが、今度はお金の使い方にも触れます。90年代初頭に70万円だったもので、今現在は5万でも売れるかどうか、というものがあります。一体、何でしょうか。

そうです。これは日本のとある県の土地の値段です。今では信じられない話ですが、高度成長期からバブル経済がはじけるまでの数十年の間、日本の土地は右肩上がりで価格が上昇を続けており「土地神話」と言われていました。

神話なだけに、実体が伴わずバブル崩壊後に土地は大きく値を下げたのですが、損をした人と言うのは、まさに「人と同じ」ように不動産を買った人たちです。不思議なのは「おかしい」という感覚が無かったのか、ということです。

現在、5万円で売れるかどうか、ということは実は70万円の値を付けたときも「ほんとうの価値」は5万円だったのではないでしょうか。どのくらいの人が、いくらくらいなら買っても良いと思えるのかという「実需」を見極められれば良いのと、買った後でいくら値が下がっても、自分の中での価値は一向に変わらない。つまり「好き」かどうかが大切です。

結局、世の中の多くの人の判断を狂わせたのは「土地の値段は下がらない」という妄想=認知の歪みです。こうしたことは、あれから20年以上経過した今でも根強く残っています。

・倒産しないから公務員は食いっぱぐれない。(江戸の武士の末路ってどうでしたっけ?)

・消費税が上がる前が、買い時。(買い時って、いったいなんでしょうか?)

・家を探すとき、ネットで検索する(ネットで出ている情報を信じて大丈夫ですか?)

・小さな子供に英会話や受験をさせる(その子がほんとうに、それを望んでいますか?)

・・・と世間一般で言われていることで、根拠を明示できるものというのは、実はかなり少ないのではないでしょうか。こうして考えていくと実は、常識というのは「世の中の多くの人の思い込みであり、妄想」であることがわかります。

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人と同じ行動をしない、ということは「物事の本質を見極めて、考えて行動する」ということなのだと思います。そうした一本、芯の通った行動が取れるように、たくさんの本を読んだり、人と意見交換をする謙虚さと自己研鑽がたいせつなのだと感じています。

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