今の風景を古地図と重ね合わせる
2015年5月26日
2015年5月26日
古地図、というとどのくらい古い地図なんでしょうか。昭和の戦後間もない頃でしょうか。それとも、文明開化の明治維新の頃でしょうか。私は、そうした時代の地形を見る前に、はるか昔、約1万年前の縄文時代の地形図を見ることをお勧めしています。
それでは実際に、一万年前の首都圏を見てみましょう。
これが、現在の首都圏。
比べると、昔は東京の東部~埼玉の奥の方、千葉県の海岸線は海だったんですね。あと、川崎市川崎区も海で、まさに「川の先=川崎」であったことが良くわかります。神奈川県では、横浜市の海岸線と藤沢~茅ケ崎~平塚あたりもすっぽり海でした。
もう一つ、縄文時代の海岸線を知る方法が「貝塚」です。こうしてみると、埼玉は相当、奥地まで貝塚があります。遠浅の海でとったシジミやアサリを、昔はここに捨てていました。
東京東部をクローズアップした、縄文時代の古地図と、現在、東京都が発行している荒川水系が氾濫した場合の浸水想定ハザードマップを見比べてみます。
驚くほど、海だったところと浸水するところがピッタリと重なります。「陸地に見える海」とも言えるこのエリアでの住まい選びは、これから地球温暖化によるゲリラ豪雨の頻発や海水面の上昇に伴う、さまざまな災害リスクを見据えて、慎重に判断をする必要があるのではないでしょうか。