夫婦のコミュニケーション密度が成功のカギを握る~その1~
2015年8月17日
2015年8月17日
住宅購入の際にいちばん大切なこと。それは物件情報ではなく、ご夫婦のまさに足元―コミュニケーションです。
ご夫婦の会話がない、話が噛み合っていない、それからファッションが極端に違うご夫婦は要注意です。
こうしたご夫婦は希望物件が二転三転したり、肝心な時に意見が合わずに絶好のチャンスを逃すケースが多いです。そこで、今回は妻とのケンカを回避するコミュニケーションとは何かを検証してみたいと思います。
最近マイホームを取得した3人の既婚女性に「切れそうになった夫のひとこと」を聞いてみました。私も含めて、ご主人には心当たりがあるかも知れません。
「いい加減にしろよ」
妻の○○さんが切れたのは、夫の△△さんの「いい加減にしろよ」のひとこと。△△さんはシステムエンジニアで毎晩帰りが遅いので、○○さんがせっせと情報を集め、毎週末はふたりでモデルルーム巡りをしていました。
モデルルームを見ること、なんと30物件以上!夜は住宅雑誌に載っていた「賢いマンション選びのチェックリスト」に照らし合わせて検討を重ねてきたのですが、ある日、△△さんがうんざりした顔で「いい加減にしろよ」と言ったのだそうです。
「私の努力を全く理解してくれない」と○○さんは激怒。一方、△△さんは「最初は真面目につき合っていましたよ。でも妻はチェックリストが絶対で、ひとつでもマイナスを見つけるとダメ。妻の言う完璧な物件なんて予算内であるはずがないです。こんなことを続けていても消耗するだけ。正直言ってつき合いきれなくなったんですよ」。
△△さんによくよく聞くと、本当に言いたかったのは「予算内で完璧な物件はないのだから、まず、選択条件に優先順位をつけて候補を絞り込もう」という「見解」でした。
それがつい「いい加減にしろよ」という「感想」に簡略化(?)され、○○さんの努力を全面否定したようにとられてしまったのです。たぶん、△△さんも相手が他人だったなら、「感想」はぐっと飲み込んで、「見解」あるいは「説明」をしたでしょう。マイホームを買うときは言葉を惜しんではいけません。
コミュニケーションの達人とは聞き上手な人。そのうえで、相手にとってわかりやすい(受け入れやすい)言葉を選ぶことではないでしょうか。ちなみに参考本や住宅雑誌に載っている「マンション選びのチェックリスト」は万人向けにできているので、自分たちの価値観やライフスタイルに照らし合わせてカスタマイズし、優先順位をつけてこそ活きてきます。
その点では、△△さんの「見解」はまことに正しいのですから、まさにコミュニケーション力「言い方」一つに尽きます。
・・・その2に続きますね。