仲介手数料0や半額を謳う業者のカラクリ
2021年1月17日
2021年1月17日
物件を購入する際、不動産売買価格の他に諸費用というものがかかります。概ね物件価格の7~8%程度です。諸費用の内訳は、仲介手数料、登記費用、銀行保証料等、固定資産税精算金等です。仲介手数料は「物件価格×3%+6万円+消費税」です。たとえば4,000万円の物件でしたら約136万円になります。
・仲介責任の重要性
仲介手数料が物件を案内する行為に対してだと高いように感じるのではないでしょうか?実は不動産会社の業務は多岐にわたります。まず金融機関のアテンドからファイナンシャルプランニング、重要事項説明書や契約書のチェック・作成など、買主が売主に対して不利にならないよう支援します。物件購入後も建物の不具合対応などさまざまなサポートし続けます。つまり人生において専属の頼もしい不動産の専門家の支援を受けられると考えると、妥当な報酬と捉えることもできます。
・仲介手数料0や半額を謳う業者
通常建売会社などの住宅事業会社(売主)は、概ね自社では販売活動をせずに、不動産仲介業者などに販売を委託します。仲介手数料0や半額を謳う業者は買主が本来支払う仲介手数料を売主からキックバックしているということになります。これは一見とってもお得に見えますが、本来自分が支払うべき仲介手数料を、売主が支払ってくれるということは「タダほど高いものは無い」という可能性があるのです。不動産の取引においては当然ですが、売主と買主で利益相反することがあります。売主はできるだけ高く、逆に買主はできるだけ安く正当な物件を買って、将来の安心を買いたいと思います。
・仲介手数料0や半額業者の実態
では買主から仲介手数料を受け取らなかったり半額の分を買主からキックバックを受けている業者は、売主と買主、どちらに味方するでしょう?つまりどちらに有利な契約書を作成するでしょうか?どちらに有利な重要事項説明を行うでしょうか?買主の保護は行うでしょうか?しかもそのゼロ業者は、1年後にはもう存在が無くなっているかもしれませんから、購入後の適切な支援を受けることすら叶わなくなる可能性があります。
数千万円という人生で高い商品である不動産を適切に取り扱うということは、そこに重い責任が伴います。そのために決して安くはない仲介手数料が法令で定められています。サービスを受けたら適切な対価を支払うのは経済の常識です。「自分だけ得したい」と数%の仲介手数料をケチったがために思わぬトラブルに巻き込まれないよう、よく考えて行動することをお勧めします。
「あなたが商品やサービスを提供する側として、正当なお金を支払わない相手を顧客として適切な対応ができますか?」ということです。
ちなみに言葉を鵜呑みにして騙されたりじり貧になる層と比べて、いわゆる富裕層はこうした仕組みやカラクリを察知し「何か裏があるに違いない」と判断します。「君子危うきに近寄らず」とはよく言ったものですね。