安心!住宅ローンの審査に通るポイント
2021年1月20日
2021年1月20日
住宅ローンの「審査」という言葉で不安になっていませんか。でも大丈夫です。不安は「よくわからない」から心に生じてくるものです。だから、住宅ローンの審査の本質を理解すれば、おのずと不安が解消できると思います。
家を買う場合だけ、銀行はほかの商品を買う場合とは比べ物にならないくらい、たくさんのお金を貸してくれます。なぜ、年収の何倍ものお金を貸してくれるのでしょうか。貸す側の立場で考えると、それはとても怖いことです。ですので自ずと審査は厳しくなります。
審査をパスするためには、購入する「物件力」とあなたの「社会的信用力」そして「健康力」の3つの歯車がしっかりと噛み合う必要があります。
-目 次-
1.住宅ローン審査の種類
2.信用情報審査
2-1.スマホの購入方法に地雷が潜む
3.銀行審査
3-1.経営者よりもサラリーマンが有利
3-2.勤続年数
3-3.資本金の大きさ
4.事前審査 3つのポイント
4-1.事前審査で何を見られるのか
4-2.あなたが買える人であることを証明する
4-3.お財布を持って安心して家探しができる
4-4.事前審査の3点セット
5.本審査
5-1.物件力の審査とは
5-2.健康力の審査とは
6.契約とローン審査のスケジュールのポイント
7.まとめ.お金を貸したいと思われる生き方をしよう
1.住宅ローン審査の種類
住宅ローンにはその役割に応じて大きく4つに分かれます。それは「事前審査」「本審査」「銀行審査」「信用情報審査」です。
これはそれぞれが独立しているというよりも、「事前審査のうちの銀行審査」や「事前審査のうちの信用情報審査」というように掛け合わさるイメージです。
この4つとも、それぞれが担う役割が異なるので、これからそれを説明していくことにします。
2.信用情報審査
事前審査も本審査も、この信用情報審査が登竜門です。
これはあなたがお金を貸したら、ちゃんと返してくれる人かを審査します。それにはあなたが過去、どのような借入をして、どのように返済したかをチェックするのがいちばんです。
そこで、あなたの借入と返済の履歴のすべてが記載されている情報を照会をします。
クレジットやカードローンなどで返済が滞ったことがある人は、何らか自覚症状があるのですが、ここ最近、借金をした自覚がない人が多くなっています。
2-1.スマホの購入方法に地雷が潜む
スマホを買う時、2通りの買い方がありますよね。一つは、機種代をその場で一括で支払って、その後は月々の通信代だけを支払っていく方法。もう一つ、機種代を月々の通信費に上乗せして支払っていく方法です。
この機種代を通信費と一緒に支払う方法が曲者です。これって「分割払い」といって、機種代を借りて返済をしている、いわば借金と一緒なんですが、その認識が薄い人も多いのです。
口座引き落としで残高が無くて引き落とせなくっても、コンビニ払いで払い忘れても、通信費のみのケースであればそれほど問題ないのですが、この機種代をリボ払いしていてこれをすると「返済が滞っている」という状態になります。
これが最初に来るハガキで「○月×日までに支払ってください」という督促の段階で期限内に支払えばそれほど問題にならないのですが、期限を過ぎても払わないとほぼアウトです。
いわゆる信用情報に傷がついた状態になっているかと思いますので、こうした心当たりのある人はぜひ一度、下記の信用情報開示機関に照会してみることをおすすめします。
CIC(CREDIT INFORMATION CENTER)
3.銀行審査
さて、信用情報審査を無事に通過してひとまずあなたが「貸したら返してくれる人」というお墨付きを得られたら、今度は「どのくらいのお金を貸せる人か」の審査に入ります。これが、銀行側の審査です。
3-1.経営者よりもサラリーマンが有利
その際の重要なポイントは、まず何よりも収入の安定性です。変な話、年収1,000万円の経営者よりも、500万円のサラリーマンに貸したいのです。
3-2.勤続年数
そして次に重要なのは「どのくらい長く勤め続けているか」です。
転職を繰り返いしていると、「この人はいつまた、会社を辞めるのかな」と疑ってかかられてしますので、転職を考えている人は転職前に住宅購入をしておいたほうが安心です。
よく「転職を考えているから、住宅購入は無理」と言っている人がいますが、これ、まったく逆です。月々の住居費の支払いの観点からも、一時的に収入が減ったとしても、賃貸だと大家さんは待ってはくれませんよね。
ですが住宅ローンであれば、収入が減った間の返済を猶予してくれたりと銀行も相当、融通を効かせてくれるので、万が一のときの安心感が買えるのです。詳しくは『徹底比較!賃貸vs購入。損をしない住まいの選び方』を参照してください。
3-3.資本金の大きさ
さらに勤務先が、中小企業よりも大企業や公務員の方が有利になります。これは資本金の大きさが影響してくるので、ご自身の会社のホームページの会社概要でチェックすると良いでしょう。
銀行によって、この区分は異なりますので一概には言えませんが、一つの目安例としては以下のようなものです。
Aランク 5億円以上
Bランク 3億円以上
Cランク 1億円以上
Dランク 5,000万円以上
Eランク 1,000万円以上
Fランク それ未満
この区分によって、金利優遇が大きくなったり、借入額が増やせたりするわけです。
4.事前審査 3つのポイント
事前審査のポイントは大きく3つです。
審査で何をチェックされるのかを見極める
売主に対して「あなたが買える人」である証明
最後は借入可能額や金利といった借り入れ条件がある程度わかり、あなたが安心して探せるようになる
4-1.事前審査で何を見られるのか
事前審査では、先の3つの歯車のうち「社会的信用力」が重点的にチェックされます。(社会的信用力とは、具体的にどこを見られるかは「2.信用情報審査」と「3.銀行審査」の項目で詳細に触れていますので参照ください。)
3つの歯車のうち残り2つの「物件力」「健康力」は本審査で必要となるので、そのときに触れることにします。
4-2.あなたが買える人であることを証明する
売主に対して、あなたが買える人であることを証明する必要がある理由は、十分おわかりいただけるかと思います。ちなみに不動産の売買契約の特殊性、つまり「住宅ローン特約条項」の存在が影響しているものと思われます。
「住宅ローン特約条項」とは:
「契約が成立しても、もしも住宅ローンが借りられなかったら契約そのものを無かったことにしますよ」という約束を売主と交わすということ
買う側にとってみれば、住宅ローンが借りられなければ買えないのだから、当たり前といえばそうだし、有り難い条文ですよね。これがあるから、安心して契約できることもあるでしょう。
つまりはこのおかげで売り手も守られていることになるのです。なぜなら、この事前審査が無いと、いざ契約した後にローンが通らない!という最悪の事態が起こり得るからです。
ですので今は、事前審査の承認が得られている人としか契約をしないという売主が増えています。
いざ欲しい物件が現れたときに、そこから審査をすると承認が得られている他の人に買われてしまうリスクがあることを知っておいてください。
4-3.お財布を持って安心して家探しができる
洋服を買う時に現金かカードをお財布に入れてから出掛けるのは当たり前のことだと思います。が、こと家を買おうと探している人で意外と多いのがお財布を持っていない人です。
ここで言うお財布とは「家が買えるだけのお金が入っている財布」です。意外と盲点なのか「自分が買えるのか」「いくらくらいまで買えるのか」を調べずに探し出す人が大半なのです。
「どのくらいの金利で借りられるのか」や「いくらまで借りられるのか」という、借り入れ条件を確定させてからのほうが安心して探せるのではないでしょうか。
このお財布は家が買えるだけの借入ができると自分にも、売る側にもわかる財布です。「家を買おうかな」とぼんやり思い始めたら、試しに事前審査を出すくらい早め早めをおすすめします。
ただし、あまりやみくもに事前審査を出すと、その情報は日本全国のあらゆる金融機関に筒抜けですので、「なぜこの人は、複数の銀行に審査を出しているのだろう」とあらぬ疑いをもたれてしまいますので、その点はご注意ください。
自分でも買えるかどうかがわからないままに漠然と家を探して、いざ欲しい物件が出てきたとき、実は買えなかった!や事前審査中に他の人に先を越されてしまったという悲しい思いをしないで済むかと思います。
4-4.事前審査の3点セット
さて、事前審査に必要なものはいたってシンプルです。
運転免許証のコピー
健康保険証のコピー
源泉徴収票のコピー
上記の3つで審査開始となります。ただ、自営業者や転職1年以内の方は、追加書類の提出を求められることがありますので、詳しくは銀行に直接確認すると良いでしょう。
5.本審査
事前審査で承認が得られて、晴れて契約した後に行うのがこの本審査です。
先ほどのローン否決による白紙解約ができる締切日までに、結果が出るように速やかに手続きを進める必要があるので注意が必要です。
もしも、ここで自己都合でだらだらと書類を提出しなかったりして、締切日までに結果が間に合わない場合は、もしも承認が下りずに家が買えない人とわかっても、白紙解約できません。
手付金を放棄して解約するか、ともすれば違約金(物件相当額の20%)を売主に支払って解約する必要が生じるので、十分に気を付けてください。
ところで、この本審査とは具体的に何を審査するのでしょうか。事前審査で社会的信用力に関しては概ね審査済みですので、3つの歯車のうちの「物件力」と「健康力」を特に注意してチェックされます。
5-1.物件力の審査とは
ここで言う物件力とは、あなたが契約した物件がどの程度の担保性を持つのかということです。担保性とは平たく言うと、「みんながこの物件を買いたいと思うほどの価値があるか」ということになります。具体的には以下を満たす必要があるのです。
所有権であること(※不動産の権利形態を参照)
建築基準法に適合していること
資産価値があること
※不動産の権利形態について:借地権及び、底地権が揃って、所有権となる。
つまり、これらを満たさない借地権であったり、既存不適格(現行の法律に相応しくない)物件であったり、極端に不便な地域の物件で資産性に乏しい場合などは、借入条件に悪影響となります。
5-2.健康力の審査とは
「元気があれば何でもできる」という言葉があるように、健康は価値です。人がお金を貸すとき、相手が健康であることは重要なチェックポイントですよね。だって、健康であれば如何様にも働けるし、つぶしが効くんですから。
また、家を買うことは貸す側も失敗が許されないので、借りる側が巨額の保険に加入することが条件となります。具体的には「死んだら借金はチャラ」という好条件の保険です。だからこそ、借りる時に健康でなくてはならないのです。
住宅ローンの契約には、借入額と同額の生命保険の加入が必須条件です。つまり、この生命保険に加入できなければ住宅ローンは借りられないということです。病歴や通院歴、手術歴などを事細かに申告する必要があります。
ということで、本審査では事前審査の比較にならないくらいに、健康度のチェックをします。年を重ねるごとに、健康診断の項目に引っ掛かることが増えるので、年齢が若いほど住宅ローンの審査には有利になるということも知っておいていただきたいです。
6.契約とローン審査のスケジュールのポイント
※ローン特約日(白紙解約期限) この日までに本審査結果を得る 例:1/14
※金銭消費貸借契約日(銀行とのローン契約日) 例:1/21
※どちらも契約時に決める
ポイントは契約時に白紙解約の締め切り日を設定するということです。 これは、買主保護のためです。
売主と買主双方で「この日までに本審査の結果を出そうね。そして、否決だったら契約自体を無かったことにしよう!」 ということを決めます。
重要なポイントは、双方で合意をした約束事だから、それを買主が手続きの怠慢などで守らなかったときは、手付金放棄や違約金などのペナルティが発生する!ということです。
7.まとめ:お金を貸したいと思われる生き方をしよう
住宅購入という人生でいちばん大きい、数千万円もする買い物には、なんといってもお金を貸してくれる銀行の力が必要不可欠です。あなたの欲しい思いと、銀行が貸したいという思いが一つになって初めて、マイホームを買えます。
ここまで書いてきましたが、信用情報の審査のさじ加減は、実は銀行によって結構差があります。ですので、少しでも不安のある方はどうぞ信頼できるプロに、あなたに相応しい銀行を選んでもらってください。
また、銀行審査による借入条件や借入可能額も相当、まちまちですので、いずれにしてもあなたの状況に相応しい最適な銀行選びが、住宅ローン選びでは重要です。
住まい選びと同様に、銀行選びにももし不安があれば、信頼できる方へご相談されることをオススメします。