優良な不動産会社はなぜ広告宣伝をしないのか
2021年1月17日
2021年1月17日
あなたはいわゆる物件検索サイトを閲覧したことがあるのではないでしょうか。クリックすると外観から内装、キッチンからリビングまで何十枚もの写真が見られて便利ですよね。でもこれ、誰が撮影しているか知っていますか?すべて掲載している不動産会社の社員が撮影しているのです。
不動産会社の社員といえば、不動産のプロとして日々、物件調査や不動産の知識や技術向上に時間を費やしているかと思えば、やっていることはこの広告写真の撮影、加工といったいわゆる販売活動です。つまり顧客の獲得に大半の時間を費やしているため、不動産の専門家としての活動にほとんど時間が取れない状況です。これって、他のプロや専門家に置き換えると「あり得ない」事だと思いませんか?
たとえば法律の専門家である弁護士が、クライアントの依頼の調査や精査、法律書を読み解いたりすることに時間を割かず、常に新規顧客の獲得のための広告活動に専念しているわけです。医者に置き換えても学会などに出席して先進医療を学び、それを患者に還元するといった本来業務を置き去りにして患者がたくさん来るように広告を出すことばかり考えてる病院なんて、かかりたいと思わないし信頼できないですよね笑
REINSという不動産流通システムが普及した現在、戸建や土地、マンションなど日本全国の不動産物件情報は一本化されていて実は不動産会社ごとに差異はほとんどありません。未だに「大手の方が物件をたくさん持っているのでは?」とか「地場の不動産屋のほうがその土地の物件に詳しいのでは?」と思い込んでいる一般消費者が多いため、物件検索サイトが昭和の化石のように存在しています。
ということで勘の良い方はすでにお気づきと思いますが、いわゆる物件検索サイトは不要な時代です。あれは実は多額の広告費をかけて不動産会社が寄り集まって物件を掲載している広告サイトで、目的はただ一つ「顧客の個人情報の獲得」です。だから資料請求ボタンを押すと、メールアドレスや電話番号が一気に複数の不動産会社に流出するため営業電話やメールが絶えず、疲弊してしまうのですね。
真摯にクライアントの住まいの問題解決に向き合い、地道に信頼や実績を積み重ねている優良な不動産会社というのは、そもそも広告宣伝をせずとも知人友人の紹介などで顧客が絶えないので適切な会社運営ができています。つまり、物件検索サイト=不動産会社の広告宣伝サイトに掲載しているという時点で、その不動産会社は信頼が積み上がっていないことの証左でもあります。
そもそも人気弁護士や医者なども広告宣伝など一切しなくとも患者がひっきりなしですよね。不動産会社もそのように選べば、無用なトラブルを避けられて穏やかで楽しく探せると思いますが、いかがでしょうか?
一生に一度の人生で一番、大きなお買い物ですから日々、広告宣伝といった顧客に何ら利益をもたらさないような不毛な仕事に奔走している営業マンといった類の人より、クライアントの住まいの問題解決に向けて蓄えた不動産知識を存分に発揮してエスコートしてくれる不動産の専門家に託したいと思うのは、果たして僕だけでしょうか?